顧客を女性経営者に絞った米国会計士、紹介が増えた理由と業務設計
顧客を女性経営者に絞ると集客は狭まるのか。Intuit Accountantsの番組「Deduct This」に、米国の公認会計士で税務代理資格EAも持つLouise Cochraneさんが出演しました。女性主導の事業に特化した事務所を14年運営してきた経験から、専門分野の選び方と契約の進め方、紹介を増やす工夫を語っています。
- 上位5社の顧客を分析すると全員が子どものいる女性で、女性主導の事業への特化を決めました。
- 契約後はまず見積納税、次に退職資金の準備、その後に本人の希望に沿った戦略へ進みます。
- 紹介の条件は事業歴3年以上、売上50万ドル以上、QuickBooks Online利用、女性経営などです。
上位5社の共通点
コクランさんの事務所は開業から14年になります。開業10年目ごろに新型コロナの流行が重なりました。税務の繁忙と3人の子育てで、生活を変える必要を感じたと振り返ります。そこで営業の手法にならい、上位5社の顧客の共通点を洗い出しました。結果は全員が女性で、全員に子どもがいるというものでした。
そこから少しずつ軸足を移し、ウェブサイトでも女性主導の事業に特化すると打ち出しました。顧客を狭めるのではと心配する声もありました。しかし「女性経営者の会計士として知られ、紹介は以前よりずっと増えた」と語ります。自身も同じ立場の経営者であり、失敗から得た近道を身近な友人のように伝えたいと話しています。
見積納税から始める
契約後の支援は少なくとも三つの段階に整理されています。最初に扱うのは見積納税です。申告期に「12万ドルを7日で用意する」ような負担を避けるためだと説明します。多くの女性経営者が「なぜ今になって言うのか」と感じた経験を持つといいます。
次が退職資金の準備です。会社員なら401k(米国の確定拠出型年金)に拠出していたはずだという考えによります。資金繰りが整ったあとに、本人の希望に沿った戦略へ進みます。すべてこなす人もいれば一つだけ取り組む人もいて、進め方は顧客の余力次第です。
提案では常に低価格と高価格の2案を用意します。高い案は付加価値が大きい一方で、手間を受け入れる覚悟が要ります。完全な均衡は目指さず、集中して動く時期と流れに任せる時期を見極める考え方を顧客と共有していると話します。
月次決算と定額報酬
効率化の中心は技術よりも仕組みと手順にあると述べます。顧客は全員がクラウド会計ソフトのQuickBooks Onlineを使っています。記帳を四半期ごとにまとめて入力するのでは足りず、毎月10日までに締めれば「はるかに良い判断ができる」との考えです。
請求では前払い、追加作業の変更契約、サブスクリプション型の報酬を顧客にも勧めています。提案書と請求にはIgnitionを使い、TaxDomeは見た目を理由に提案や決済には使っていないそうです。定額報酬なら上位顧客のための対応時間を確保でき、新規受任の可否も計画しやすくなると語ります。
データはすべてクラウドに置き、IT業者とも契約しました。ノートパソコンを紛失してもスマートフォンから遠隔で無効化できる体制です。「顧客のデータにも責任を負っている」という認識からだと説明しています。
理想の顧客像を共有
紹介の打診を受けると、理想の顧客の条件を記したテンプレートのメールを返します。事業歴3年以上、売上50万ドル以上、QuickBooks Online利用、女性経営などが条件です。多州展開や国際取引、小売、飲食は対象外としています。条件の明示により、ファイナンシャルアドバイザーや弁護士も紹介先を見極めやすくなったといいます。
専門職の交流組織ProVisorsではオークランドのグループ長を務め、毎月の会合で顧客像を短く伝えているそうです。集客は口コミがすべてだと話します。規模拡大では事務所の買収で申告顧客が650件に達しました。その後は難度の高い案件に絞るため、新規1件が既存3件分の収入になるたびに3件を手放す方法をとったそうです。
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