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Intuitが会計事務所向けAIで示した、人が承認する仕組み

米Intuitの会計専門家向けチャンネル「Intuit Accountants」が公開した「Watch Connect Innovation Spotlights with Intuit Leaders」では、年次イベントIntuit Connectの壇上で最高技術責任者(CTO)のAlex Balazs氏ら幹部4人が会計事務所向けの新機能を紹介しました。中心にあるのは、AIエージェントに作業を任せつつ、どこで人が確認し承認するかを事務所側が決められる仕組みです。

Intuit Accountants / 公開 2026/10/29 / 1時間6分 / YouTube で見る

証明できる財務という前提

Balazs氏は入社27年目で、1999年にQuickBooks Onlineの初版を作った技術者の一人だと自己紹介しました。この1年半で40以上の会計事務所と話し、顧客がより速い判断や報酬の見直しを求めていると感じたといいます。それでも財務の結果に責任を負うのは会計事務所のままだと述べています。

同氏はAnthropicやOpenAIなどを毎月のように訪ね、大規模言語モデルの進歩に感心していると話しました。そのうえで「財務の仕事はもっともらしいだけでは足りず、証明できなければならない」と語ります。Agent Studioでは業務手順書(SOP)を自然言語でエージェントにし、人の判断が入る箇所や確認の水準を事務所が設定できると説明しています。

もう一つの約束は新機能の成熟度を明示することです。数社と試す段階をパイロット、拡大の準備が整った段階をベータ、一般提供をGAと表示します。完成度を問う声が多く寄せられたためで、準備が整う前の機能に事務所が頼らずに済むようにするといいます。

決算と顧問業務の自動化

会計事務所向け製品の責任者Diana Williams氏は、Accountant Suiteの新機能を紹介しました。勘定科目表や月次決算の手順をテンプレート化する「プレイブック」は、複数の顧客に一括で展開できます。今後はSOPを読み込ませるとAIが下書きを作り、事務所が確認と承認をしてから顧客に適用する流れになるといいます。

パイロット中の決算エージェントは進捗と人への依頼を一覧で示し、推奨された仕訳の一部または全部を受け入れて計上できる仕組みです。Agent Studioの例では、米国の支払調書である1099の準備を自動化するエージェントが示されました。数日から数週間かかる作業が数分で終わり、すべての操作が記録されると説明しています。

顧問業務向けには「Agentic Advisory」の構想も示されました。元帳と照合した数値で報告資料を作り、計算過程と出典を確認できるようにするといいます。顧客の目標の更新などは「依頼し、承認したときだけ」実行すると述べています。

記帳作業と監査ログ

中小企業・会計士部門を率いるArundhati Singh氏は、QuickBooksの改良を説明しました。AIの操作を把握したいという声を受け、監査ログでAIが行った操作を一覧できるようにしたといいます。Claudeなど外部ツール経由の操作も含まれ、誰がその操作を承認したかまで確認できると説明しています。

新しい勘定科目整理のエージェントは重複科目の統合や未使用科目の無効化を提案し、実行は会計士の承認後です。指定した締め日より前の取引は変更せず、古い科目は削除せずに無効化する設計です。過去に提出した財務諸表の正確性を保つためだといいます。取引の一括計上機能では、計上可と提案された取引の93%が修正不要だったと紹介されました。

中堅企業向けの展開

中堅市場担当のWyatt Jenkins氏によると、同社の中堅顧客の70%は会計事務所と取引しています。Agent Studioは20の事務所にエンジニアを派遣し、共同でエージェントを作っている段階です。固定資産台帳と貸借対照表を同じ基準日で突き合わせ、不一致の項目だけを会計士に示すエージェントなどが例に挙がりました。

上位製品のIntuit Enterprise Suiteでは、非営利団体向け版がパイロット中です。米国の非営利団体が提出するForm 990を作成するエージェントも紹介されました。顧客がQuickBooksを離れる理由に収益認識の機能不足があるとして、収益管理基盤のSequenceを買収したことも明らかにしています。

本記事は掲載時点の情報です。発言の引用は日本語に訳しています。