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NetDocumentsが語る法務文脈グラフとエージェント型DMS

法律事務所向けの文書管理システム(DMS)をAIエージェントの基盤に作り替える取り組みについて、米NetDocumentsの最高製品責任者ダン・ハウク(Dan Hauck)氏が語りました。聞き手はLawNextのボブ・アンブロジ氏で、同社の年次カンファレンス会場での収録です。中心の話題は文書から案件の文脈を自動で組み立てる「法務コンテキストグラフ」です。

この記事のポイント
  • 文書保存時に種類や当事者、重要日付を抽出してグラフ化し、トークンを約5割節約できたといいます。
  • エージェント対応の新画面は5月から一部顧客に限定公開され、11月12日に提供開始、旧画面も維持されます。
  • MCPでClaudeやChatGPT、Copilot、Geminiと接続し、Legoraとのベータ版も発表しました。
LawNext / 公開 2026/11/03 / 34分 / YouTube で見る

非構造データを読む時代

ハウク氏は大規模言語モデルによって法律文書の中身を初めて理解できるようになったと振り返ります。同社が保管する文書は230億件を超える規模です。従来の機械学習も深く検証しましたが、結果には「かなり不満だった」と語ります。現在は顧客の文書を数百万件単位で分類し、タクソノミーやオントロジーを組み立てる段階にあると説明しています。

同氏は元訴訟弁護士で、同社が買収したThreadKMの創業者でもあります。eディスカバリーで使われたTAR(技術支援型レビュー)を例に、人も技術も完璧ではないが組み合わせれば成果が上がると当時学んだと話します。同じ変化が今は法律業務全体で起きており、弁護士は「エージェントを指揮する」立場に移りつつあるとの見立てです。

法務コンテキストグラフ

出発点は現場の手間でした。弁護士はエージェントに正しい資料を読ませるため、質問のたびに参照すべき文書を手で指定していました。この作業は時間がかかるうえ不完全で、同じ廊下の同僚も同じことを繰り返します。結果としてトークン費用もかさんでいたと同氏は指摘します。

そこで同社は文書を保存した時点で取り込み処理を走らせる設計です。文書の種類や主要な情報、当事者や関係者、重要な日付を抽出し、案件全体や事務所内の専門性の所在をグラフにまとめます。契約条項の修正を尋ねれば、同じ法域や業種、同じ依頼者の類似契約を参照できます。グラフを使うとトークンを約5割節約できたといいます。

精度の検証は社内のリーガルエンジニアが担い、実際の案件の文書を使っています。合成データに頼りすぎると「好みの答え」にたどり着きやすいからだと同氏は語ります。SALIやFOLIOなどの団体による基盤的な成果も活用しています。標準のオントロジーを用意し、専門分野をもつ事務所向けには調整にも応じています。

刷新画面と新機能

数年かけて開発した新しい画面は、エージェント対応を前提に設計し直されました。1つの画面で案件の要約や関係者、担当チームを確認でき、エージェントも安全に同じ情報へアクセスできます。5月から一部顧客に限定公開しており、11月12日に提供を始めます。旧画面も維持され、利用者はいつでも切り替えられるため強制的な移行はありません。

同時に、従来のCOMアドインに代わるMicrosoft 365アドインも提供します。Windows、Mac、モバイルで動き、SharePointやOneDriveと同じ仕組みで共同編集が可能です。表形式レビューは今月から一般提供となり、5,000〜1万件の契約を対象にしたデューデリジェンスで使われています。アシスタントは文書の作成や修正履歴付きの編集に加え、操作できるHTML形式のレポートも生成します。

外部AIとの接続

顧客は7,000を超え、単一の基盤にまとめたい事務所もあれば、複数のAI製品を併用する事務所もあります。同社はAIと外部データをつなぐ共通規格MCPを通じ、Claude、ChatGPT、Copilot、Geminiと接続しています。今回はLegoraとのベータ版も発表しました。外部AIが作った文書を戻す書き戻し機能も加え、DMSを「唯一の信頼できる情報源」として保つ考えです。

外部から入れるなら画面の重要性は下がるのでは、という問いに同氏はこう答えます。第一の原則はどのエージェントにも質の高いデータを渡すことです。ただし文書の整理や移動といった中核作業は、MCP経由より新画面のほうが速いと説明しています。将来は「このワークスペースを片付けて」と頼むだけで、改名やフォルダ整理を任せる姿を描いています。

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