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Copilot for Legal、法務AIをWordに埋め込む狙い

英国のリーガルテック専門メディア Artificial Lawyer は、動画「Artificial Lawyer Interview: Copilot for Legal - with Carina Negreanu, Microsoft」を公開しました。Microsoftで法務分野を率いるCarina Negreanu氏が、新機能Copilot for Legalの構成と提供方針を説明しています。法務AIを日常の作業環境にどう組み込み、品質をどう測るかが話の中心です。

Artificial Lawyer / 公開 2026/11/03 / 25分 / YouTube で見る

三つの中核ワークフロー

Negreanu氏はかつてMicrosoftの研究部門で、初期の大規模言語モデルによるコード生成を研究していました。その後は契約レビューAIのRobin AIに移り、昨年12月にチームごとMicrosoftへ移籍しています。構造化された出力を扱う経験は法務にもよく合ったと振り返ります。

最初に出したのはWord上の法務エージェントで、機能は質問応答、編集、プレイブック生成とレビューの三つに絞りました。希望者が試作段階の製品を先に使うFrontierというプログラムで反応を集め、改善につなげたといいます。プレイブックを保存せずに使いたい利用者のために、裏側の処理を作り込んだ例も挙げました。

10月15日に公開したCopilot for Legalでは、質問応答、レビュー、編集を「ほかのすべての基礎」として最適化しています。そのうえで義務条項の整理やプレイブック生成など20の追加スキルと、提携企業の知見を取り込むコネクタを加えました。数十件単位の契約レビューは50の文書を開くことになるため、大規模作業向けのCoworkで扱う形にしたと説明しています。

文書を見て起動する設計

従来の法務エージェントはWordの脇で動く別機能でした。今回は法務文書であるか、利用者が法律家であるかを検知し、適切な場面で法務機能に切り替わります。法律家でもプレゼン資料や計画書を書くときには起動してほしくないという声があったためです。チャットで明示的に呼び出すこともできます。

機能は利用者が有効にして使う形が基本で、利用者単位と管理者単位の切り替え設定を数多く用意したといいます。モデルは選択画面にあるものを使え、対応するのはOpenAIとAnthropicのモデルです。Geminiは現時点で選べず、地域によってはAnthropicも使えません。モデルごとにバックエンドやプロンプトを調整しているとのことです。

提供は段階的で、収録時点では利用者全体の1%に届いた段階でした。数週間で全体に広げ、企業向けCopilotライセンスを持つ3,000万人超が使えるようになる見通しです。社内の全員がMicrosoft 365を使う環境なら、人事など法務以外の部門にも法務機能が届く点に関心があると語ります。

専門ベンダーとの線引き

聞き手はHarveyやLexisNexisなど多くの企業が、法律家が作業する場所を押さえようと競っていると指摘しました。Negreanu氏は「AIは作業している場所にあるべき」と述べ、アドインと本体を行き来させない方針を示します。そのうえで提携先と利用者の双方にとって良い基盤でありたいとしています。

Microsoftが自ら担うのは、ほかの専門ツールを持たない人でも十分に使える範囲だとのことです。赤線による修正のようにWordと深く結びつく作業は、自社で作るのが自然だったと説明しました。専門ベンダーの強みは自社が手を付けていない領域にあり、品質が高ければコネクタ経由の利用を支えるとしています。

採用率と一貫性の測定

公開されているベンチマークは編集やレビューを測るには情報量が足りず、主に社内の指標で評価しているといいます。修正提案は本文の脇に表示し、利用者が確認してから反映する仕組みです。提案がそのまま残る割合は70%台後半で、分野全体と比べて高い水準だと述べています。

もう一つ重視するのが一貫性です。同じプレイブックで似た契約を別の担当者がレビューしたとき、同じ種類の修正が出るかを追っています。この観点は既存のベンチマークにほとんど含まれないと語り、聞き手も見過ごされてきた論点だと応じました。利用者が独自スキルを作る場合の品質確認も、検討を進めている課題だといいます。

本記事は掲載時点の情報です。発言の引用は日本語に訳しています。