Claude Codeで帳簿チェック、顧問先60社を1人で回す税理士
顧問先約60社をスタッフなしで担う公認会計士・税理士の畑山氏が、チャンネル「司法書士が解説 AI活用」に出演しました。聞き手の司法書士石本氏とともに、Claude Codeによる帳簿チェックの画面を見せながら、AIに作業を任せて判断と責任を人に残す事務所の設計を語っています。
- freeeとMCPで接続したClaude Codeが約10分で帳簿を点検し、2つのHTMLレポートを出力します。
- レポートの型や譲れないルールはMarkdownに書き、顧問先ごとの文脈は別フォルダーのファイルで育てます。
- 業務では法人向けプランを使い学習をオフにし、マイナンバーは入力しないと業界指針に明記されています。
帳簿チェックの実演
畑山氏はClaude Codeをデスクトップアプリで使い、会計ソフトのfreeeとAPIやMCPで接続しています。以前はfreeeの画面を1社ずつ開いて確認していましたが、今は一次チェックをAIに任せる流れです。実演ではサンプル会社を指定し、データを取り込んで指定の目線で点検する様子が示されました。
チェックは10分ほどで終わり、帳簿の点検結果と税務上の注意点を2つのHTMLレポートで出力します。家賃の金額が不自然な月や、借入金がマイナスになっている点が先に挙げられていました。自分で見れば1社15〜30分かかる作業で、並行する会社が多いほど浮く時間が増えると語ります。なおブラウザ上のデータを点検する程度ならClaude Coworkでも足りるとし、Claude Codeは「カスタマイズができるClaude」だと説明しています。
ルールを書き足す
レポートの体裁や載せる項目は、型が決まるとMarkdownファイルに書き込みます。Claude Codeが作業のたびにそのファイルを参照するため、同じ形のアウトプットが出る仕組みです。始めはnoteで販売されていたテンプレートを入手し、AIとのやり取りの中で譲れないルールを1行ずつ足していったといいます。
今も起きる失敗として挙げたのは仕訳の誤りです。タクシー代は旅費交通費のように、どの会社にも当てはまるルールは共通のファイルに置きます。この支払先はこの内容といった顧問先ごとの文脈は、顧問先別のフォルダーに別のファイルを置いて育てる必要があると話しています。
石本氏が、AIが間違えるのは言語化できていない側の問題という考えかと尋ねると、畑山氏は「自分次第」と答えました。AIを使いこなせない人は人間の部下も使いこなせていないはずだとし、ミスなく早く高品質に提供する事務所運営の課題は以前と変わらないと語ります。
判断は人に残す
畑山氏の方針は可能な限りAIに権限と作業を委ね、人がやるべきところだけを人に残すことです。会計や税務、チェック担当など4人ほどの頼もしいパートナーがいると表現しています。自分の経験や案を選ぶときの好みまで渡しているので、調べる速さや知識ではすでに負けているといいます。
それでも人が残る理由として、対面のサービスであり顧客も対面での判断を期待している点を挙げました。税理士の資格は人に与えられるものなので、最終判断とその責任は自分が負うと話します。極端に言えば、自分の仕事は指示出しとAIが進めた作業への承認だけになってきているそうです。
始め方と守秘義務
始め方としては月3000円ほどの最も安い有料プランに課金し、カレンダーと連携して未着手のタスクを洗い出させる使い方を勧めます。任せられる仕事が5つほど見つかれば費用は回収できるといいます。検索やリサーチの次の段階では、作成物を作らせて正解例を渡し、何が足りないかをAIに尋ねる対話を重ねるとよいと述べました。
守秘義務については、税理士業界からAIのガイドラインが出ていると紹介しました。業務では法人向けプランを使うこと、学習機能を設定でオフにすることが明記されたといいます。マイナンバーなど特に重要な情報は入力しないことが3つ目の柱です。石本氏は司法書士にはまだ同様の指針がないとし、税理士の例が参考になるとの見方を示しました。
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