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Character.AIの破産で問われる、未成年のチャット履歴の行方

Character.AIの破産により、未成年を含む利用者のチャット履歴が企業資産として残される事態が起きています。カナダのSpellbookが配信する番組The Redlineで、司会のMike Wayland氏と弁護士のHeath Morgan氏がこの問題を論じました。人材と技術だけを取得したDisneyの手法と、残されたデータの行方が話題の中心です。

Spellbook / 公開 2026/11/04 / 26分 / YouTube で見る

破産手続を選んだ理由

番組冒頭でWayland氏は経緯を整理します。2025年末、DisneyはCharacter.AIに警告書を送りました。同社がDisneyのキャラクターで未成年を引き寄せ、個人的な情報を過度に話させていると主張したものです。ところが今年Character.AIが破産すると、Disneyは中核の人材を雇い入れ、技術の一部のライセンスを受けました。利用者とのチャット履歴は引き取っていません。

Morgan氏によれば、Disneyが手に入れようとしているのはコードやアルゴリズム、製品の形式です。チャットは過去数年に生じたとされる損害や責任とともに、Character.AI側に残す考えだといいます。そのうえで人材を移し、Disneyの知的財産とキャラクターで同じ発想の製品を立ち上げ直すとみています。

人材目当ての買収自体は珍しくないものの、米連邦破産法第11章の手続を通す点は異例だとWayland氏は指摘しました。Morgan氏は、破産を選んだのはCharacter.AI自身だと説明します。巨額の責任を抱えたまま売却交渉をする姿を見せたくなかったうえ、判断を裁判所に委ねれば「残すかどうかは裁判所の決定だ」と言えるからだといいます。

売りに出るチャット履歴

破産財団に残ったチャット履歴は、理論上は他の誰かが買い取れる状態にあります。Morgan氏はこれを一つの傾向と捉え、1年前のSpirit Airlinesの破産の例を挙げました。Googleが航空事業を営む意図なく顧客データを買い取ったというものです。企業資産としてのデータの価値が法的にも認められつつあるという見方です。

背景にはAIの普及により、州法や連邦法のプライバシー規制の外側でデータが集められている現状があるとMorgan氏は語ります。保存期間の定めが及ばなければ、利用者の死後もデータを持ち続けられます。昨年12月にMetaが取得した、死亡した利用者のアカウントから投稿やメッセージ送信を行う特許も例に挙げました。

金融や医療など規制の厳しい分野では、データをいつまで保持し、いつ廃棄するかを顧客と協議するのが通常だといいます。Morgan氏は、企業が破産手続を「法的な盾」として使い、裁判所の命令に従っただけだと責任を避ける動きを懸念しています。

未成年の同意と管財人

Character.AIの利用者のうち未成年は、当初2,000万人の1割とされていました。Wayland氏によれば、2025年末まで年齢は自己申告で、州の司法長官はさらに多いとみています。州側は話題にした学校や仕事から本人を特定できるため、チャット履歴の確実な匿名化はできないと主張しているといいます。

Morgan氏はクリックラップ契約の有効性をめぐる判例や、連邦当局によるダークパターンの取り締まりに触れました。そのうえで自分が買い手なら、10代の利用者が意味のある同意をしたと訴訟で証明できるか「相当慎重になる」と述べています。破産外の訴訟は和解で終わりやすく、破産手続がこの論点を決める場になりうるとも話します。

有害な資産の売却には裁判官による歯止めがあり、敵対的な外国企業への売却などは防がれるというのがMorgan氏の期待です。一方で管財人には、債権者への弁済のため資産価値を最大化する義務があり、そこに利益相反があると指摘しました。債権者と交渉して請求の一部を取り下げ、問題の資産を売らずに済ませる道もあると述べています。

死後のデータと人格

Morgan氏は、氏名や肖像、行動のデータを本人が収益化できる仕組みを提案します。米国の大学スポーツ選手に認められた権利を、すべての人に広げる発想です。規制は常に後追いになるため、利用者が離れれば企業は対価を払ってでもデータを求めるようになるといいます。この分野の判例は今後10年で形成されるとみています。

Morgan氏の小説「The Memory Project」は、今日集められたデータが第三者に使われ、将来の世代を操作するという前提で書かれた作品です。故人を再現するグリーフテックは80億ドル規模になるとの予測も紹介しました。Wayland氏は量刑審理で亡くなった被害者のアバターに語らせた事件に触れ、こうした問いは「遠い未来の話ではない」と語ります。

番組の最後にMorgan氏は、AIガバナンスや戦略の助言で欠けがちな視点を挙げました。多くは技術の進展に目を向けますが、顧客がどこまで採用するかと規制の動向も合わせて見る必要があるといいます。技術、採用、規制の三方向から将来の害を見通すことが、助言の基本だという考えです。

本記事は掲載時点の情報です。発言の引用は日本語に訳しています。